入居条件を確認する

老人ホームへの入居を検討する際は、まず施設ごとの入居条件を確認します。

基本的な入居条件は以下のとおりですが、施設の種類や個別の施設によって異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

• 65歳以上の方が対象
• 要介護認定を受けていること（施設によって要介護度の条件あり）
• どの程度の医療的ケアが必要か
• 身元引受人が必要
• 利用料を支払えるか

入居条件を満たしていても、空室状況によっては入居までに時間がかかる場合があるため、早めの情報収集と申し込みがおすすめです。

費用の内訳を把握する

老人ホームへの入居にあたっては、入居一時金や月額利用料など様々な費用がかかります。施設によって金額も内訳も異なるため、事前によく確認しておく必要があります。

具体的には、入居一時金、月額利用料、介護保険の自己負担額、医療費、食費、光熱費、管理費など、どのような費用項目が含まれているのか、それぞれの金額はいくらか、そして追加で費用が発生する可能性があるのかなどを詳しく調べることが重要です。

また、施設によっては、入居時に必要な敷金や保証金、退去時の精算に関する規定なども存在します。これらの費用項目についても事前に確認しておくことで、後々トラブルを防ぐことができます。

居室の広さや設備を見る

老人ホームの居室タイプは主に個室と多床室の2種類です。居室の広さは、特別養護老人ホームの場合1人あたり最低面積は10.65平方メートル以上、介護付き有料老人ホームでは13平方メートル以上と法律で定められています。

居室の設備面では、特別養護老人ホームは洗面台やトイレが共同設備のことが多いのに対し、有料老人ホームは居室内に完備されているケースが一般的です。さらに有料老人ホームの場合、居室面積が広くなるとミニキッチンや入浴設備まで付いているところもあります。

居室の広さや設備は施設によって大きく異なるため、入居前の見学でしっかりチェックしておくことが大切です。

居室数は、施設の規模や入居者の数によって異なります。入居希望者が多く、すぐに満室になる可能性も考えられます。特に、個室を希望する場合は、早めの見学と申し込みがおすすめです。

提供されるサービスを知る

老人ホーム選びで失敗しないためには、各施設が提供しているサービスの内容をしっかりと把握しておくことが重要です。

介護サービスの質や内容は施設によって大きく異なります。例えば、以下のような点をチェックしましょう。

• 介護スタッフの人数や資格
• 医療体制（提携病院の有無など）
• 食事やレクリエーションのサービス
• 認知症ケアの実施状況

これらのサービス内容は、実際に施設を見学したり、パンフレットやWebサイトで情報収集したりすることで把握できます。契約前に十分にサービス内容を理解し、自身のニーズに合った施設を選ぶことが肝心です。

立地や周辺環境をチェックする

老人ホームの立地や周辺環境は、入居者の生活の質に大きな影響を与えます。以下のような点に注目してチェックしましょう。

• 自然環境：緑や水辺など自然に恵まれているか
• 医療機関：病院や診療所へのアクセスのよさ
• 商業施設：ショッピングセンターやコンビニの有無
• 公共交通：電車やバスの便のよさ
• 治安：地域の治安のよさ

周辺施設が充実していると、散歩や買い物など行動範囲が広がります。一方で不便な立地では、施設内で完結せざるを得ません。また、緊急時の医療機関へのアクセスのしやすさは安全・安心にも関わる重要なポイントです。立地条件は費用にも影響するため、予算とのバランスを考えることも大切でしょう。

1．希望条件を整理する

まずは、ご自身にとって老人ホーム選びで最も重視したい条件を整理しましょう。例えば、以下のような条件があります。

• 適正な価格
• 確実な介護技術
• スタッフの対応
• 看護・医療との連携
• 食事内容の充実

これらの条件を参考に、ご自身の優先順位を明確にしておくことが大切です。希望条件をすべて満たす施設は少ないかもしれませんが、妥協できる点と絶対に譲れない点を整理しておくことで、効率的に施設探しを進められるでしょう。

2．情報収集とリストアップ

老人ホームを選ぶ際は、まず情報収集から始めましょう。介護情報誌やインターネットで老人ホームの一覧を確認し、自身の希望条件に合致する施設をピックアップします。

その際、以下の観点で比較検討するとよいでしょう。

• 立地や周辺環境
• 入居条件や費用
• 居室数・間取り・設備
• 提供されるサービス内容
• スタッフ体制

など

リストアップした老人ホームに資料請求をしたり、施設に直接問い合わせをしたりして、より詳細な情報を得ることも大切です。この段階である程度候補を絞り込んでおくと、後の見学がスムーズに進められます。

3．見学や体験入居で実際の雰囲気を確認

気になった老人ホームがいくつか見つかったら、次は実際に施設を訪問して雰囲気を確かめましょう。パンフレットだけではわからない施設の様子や入居者の過ごし方、スタッフの対応などを直接見られるのが見学のよい点です。

見学の際は、以下のようなポイントをチェックするとよいでしょう。

• 施設の清潔感はあるか
• 入居者の表情は明るいか
• スタッフの対応は丁寧か
• 食事や活動内容は充実しているか

また、体験入居で実際に施設に宿泊するのもおすすめです。事前の見学や体験入居を十分に行い、入居後のミスマッチを防ぐことが大切です。

4．契約内容を入念にチェック

実際に入居を決める際は、契約書の内容を細かくチェックすることが大切です。特に以下の点に注意が必要です。

• 入居一時金や月額利用料など費用の詳細
• 介護サービスの内容と別途費用の有無
• 契約解除の条件と返金ルール
• 看取りや医療連携体制

など

契約書は複雑な内容も多いため、不明点は施設側にしっかり確認を取りましょう。事前に第三者にも目を通してもらうのもよいでしょう。後々のトラブルを避けるためにも、契約内容は入念にチェックすることが重要です。