身元保証人が行う葬送支援の概要

葬送支援は、身元保証サービス業務の一つです。葬送支援では、身元保証人が以下の手続きを代行します。

• 親族への連絡
• 葬儀の手配
• 納骨
• お墓参り

本来なら、高齢者の終活や死後の手続きは家族または親類縁者が行います。しかし、身寄りのない高齢者の場合は一連の処理を託せる存在がいません。また、病院や老人ホームのスタッフは利用者の死後の手続きを代行できないのがルールです。

そこで、生前から身元保証サービスと契約を結んでおき、いざというときに葬送支援にスムーズに移行できるようにしておくスタイルが定着してきました。身元保証人は利用者の生前からヒアリングを通して葬儀や墓地、納骨の希望を把握しておき、事前の計画にもとづいて必要な手続きを行います。葬儀や墓地の手配だけでなく、親族への連絡や納骨後のお墓参りも身元保証人の重要な役割です。身元保証サービスの利用料金は、利用者本人の生前の預金や年金から支払われます。

身元保証人は死後事務支援も行う

身元保証人は葬儀や墓地の手続きだけでなく、死後の整理に必要な一連の事務手続きも代行します。代行可能な業務は以下のとおりです。

・病院や介護施設への支払い事務

故人が病院や介護施設に入所していれば、未払分の費用を本人の資産から清算します。また、クレジットカードの残債があれば預金から返済します。

・行政への各種届出事務代行

公的年金や社会保険の停止手続きを代行します。一般的に、行政へ届け出る書類の作成は行政書士や司法書士など士業の資格を持つ身元保証人が行うため、煩雑な手続きも安心して任せられるでしょう。

・賃貸物件の家賃支払い

故人が生前、賃貸物件に住んでいれば家賃の支払いを代行します。家賃の滞納分があれば本人の資産から一括で清算するのが原則です。

身元保証人は相続支援にも関わる

相続手続きの代行も身元保証人の大切な役割です。利用者本人が遺言を作成し、身元保証人を遺言執行者として指定している場合、相続手続きのための戸籍取得を行います。また、不動産の相続では名義変更手続きも必要です。利用者本人が預貯金や株券など換金できる資産を持っている場合、生前の指示に応じて売却または解約を行います。

本人と身元保証人の間で事前に決めておくことが大切

高齢になるほど病気やケガによる急死のリスクが高まります。死後の手続きには葬儀や墓地の手配だけでなく未払費用の清算や預貯金の解約、相続手続きなど様々な事務作業が含まれますので、万一のことが起きてからすべてを決めるのは困難です。
また、元気なときから死後の手続きについて身元保証人とよく話し合っておくことで、余計なトラブルを回避できます。

終活の一環として、ぜひ健康なうちから信頼できる身元保証サービスを選んでおきましょう。