高齢者の一人暮らしで起こる問題

日本では核家族化や少子高齢化の影響で身寄りのない高齢者の単身世帯が増え、独居問題が深刻化しています。高齢者の一人暮らしで起こり得る主な問題は以下のとおりです。

・日常生活に支障が出る

高齢になると日常の家事や買い物など、身の回りの作業の負担が重くなります。特に独居の場合、電球交換やゴミ捨てなどささいな作業が難しく頼める人もいませんので、毎日の暮らしに支障が出てしまいます。軽い風邪やケガも独居の高齢者にとっては無視できないリスクです。

・犯罪に巻き込まれやすい

最近では、全国的に高齢者をターゲットにした犯罪が増えてきました。高齢になると判断力や情報収集力がどうしても低下しますので、巧妙な詐欺に騙されやすいのが現状です。特殊詐欺だけでなく、力ずくで金品を奪う強盗事件も多く、命にかかわるケースも少なくありません。

・近隣トラブルのリスクが高まる

高齢になると庭や庭木、ゴミの定期的な整理が難しくなります。伸びきった庭の雑草が原因で害虫が大量発生したり、垣根を飛び越えた庭木が隣家の外壁を傷つけたりするなど、近隣トラブルから訴訟問題に発展する可能性も否定できません。また、住宅地では長期間放置されたゴミによる悪臭問題が増えています。

高齢者が安心して一人暮らしするための解決方法

公的サービスや民間のサービスを組み合わせることで、高齢者の一人暮らしにともなう様々な問題を解決できる可能性があります。単身の高齢者の暮らしをサポートする主なサービスは、以下のとおりです。

・身元保証サービス

単身の高齢者や判断力に問題のある人に代わり意思決定や債務履行、荷物の引き取りを行います。介護施設入所時の手続きサポートや病院への緊急搬送時の対応、本人が亡くなった後の遺品整理や葬儀の手配など、諸々の手続きも対応範囲です。現在は民間による身元保証サービスが主流であり、契約条件や利用料金は事業所によって異なります。

・後見人制度

高齢者に限らず、体力や判断力の衰えた人に代わり、意思決定や手続きを代行します。公的に認定される法定後見人と本人の意思で任命できる任意後見人の2種類があり、いずれも正式な手続きが必要です。

法定後見人は、与えられる権限によって以下の3種類に分かれます。

• 後見
• 保佐
• 補助

身元保証サービスと後見人制度は、代理人に与えられる裁量に違いがあります。

高齢になって身寄りがおらず不安な方には、身元保証サービスがおすすめです。身元保証サービスでしたら、引っ越しや介護施設入所時など公的手続きの代行を依頼できるほか、地域のコミュニティやデイサービスなど毎日の居場所を探してくれる事業所も増えています。

利用料金や登録条件は事業所によって異なりますので、費用とサービス内容のバランスを見て、安心して長く付き合えるサービスを選びましょう。