老人ホームへの入居に保証人が必要な理由

老人ホームでは、料金滞納や予期せぬケガ、利用者同士の揉めごとなど、様々なトラブルの発生が想定されます。高齢になると判断力や体力がどうしても衰えますので、自力でトラブルを解決できないケースも少なくありません。

老人ホーム側にとってもトラブルは未然に防止したいところです。そこで、身元保証人を通すことによりスタッフ側で対応しきれない問題のリスクをコントロールしています。

身元保証人という言葉は通称であり、厳密には以下の2つに分かれます。

・保証人

主に利用者本人の金銭管理や公的手続きを代行するポジションです。ホーム入居中に利用料金の滞納や金銭トラブルが生じた場合、連帯保証人として債務の履行を引き受けます。また、病気やケガによる緊急手術の同意書代筆やホーム移籍時のサイン代行も保証人の役割です。

・身元引受人

利用者本人の遺体の引き取りや遺品整理を引き受けます。また、葬儀の手配や銀行口座の凍結など、死後に必要な公的手続きも対応範囲です。

保証人と身元保証人を同じ扱いにするケースもありますので、あらかじめ各老人ホームに確認してください。

入居時の保証人になるための条件

保証人になるための公的な条件は、とくに定められていません。ただし、保証人には連帯保証人としての役割が含まれますので、収入の安定性や社会的信用が求められます。原則としては親類縁者が引き受けるのが望ましいとされていますが、最近では身寄りがないまま老人ホームに入居するケースも少なくありません。そのため、民間企業やNPO法人による身元保証サービスの需要が高まっています。

保証人がいない場合の対策方法

保証人がどうしても見つからない場合の対策方法は以下のとおりです。

• 保証人不要の老人ホームを探す
• 後見人制度の利用
• 身元保証サービスへの登録

保証人不要の老人ホームは全国的にも稀であり、トラブル時の対応が難しかったり手続きが進まなかったりするなどデメリットがあります。また、後見人の認定にも時間が必要です。

身元保証サービスの場合、条件を満たせば登録しやすく、老人ホーム入居後の手続きを代行してもらえます。対応可能な業務や月額料金、解約条件などは事業所によって異なりますので、契約前に複数のサービスを比較し、安心して契約できる身元保証サービスを選んでください。